川南の魅力

「さららピーマンの育ての親!」

JA尾鈴ピーマン部会・会長 網代 宗章さん

 もぎたてのさららピーマンはたっぷりと水分を含み、そのまま食べても苦みを感じることなく口の中にふんわりと甘みが広がるほどです。

 川南のオリジナル「さららピーマン」は、国が定めるガイドラインに沿った減農薬・減化学肥料の「特別栽培」に取り組んで生産しています。使用できる農薬の種類や回数にも厳しい制限がある中で、農薬や肥料に頼らずとも、苦みがなく艶やかに輝くおいしいピーマンを栽培するためにはさまざまな努力が必要でした。

 「昔ながらの勘だけに頼っている時代ではない。色々な情報を数字で表す最新機器も導入し、さまざまな角度から管理することも大切。ピーマンの発育が悪いときは、水、土、天気の変化など色々な原因があるので、ひとつひとつに向き合い、解決していくことで、次につなげていく。」と、これまでの苦労を語ります。

 網代さんは常に新しい情報にも目を向け、学び続ける姿勢で、さららピーマンを大きく成長させました。自身の農家だけでなくピーマン部会の11組、皆で情報を共有し切磋琢磨しています。

 栽培を始めた当初から15年が経ち、収穫量も格段にアップしました。「味と品質に自信がある!」という自慢のさららピーマンは、北関東を中心にしっかりとした販路を確保。卸先からは「もっと量を増やして欲しい。」と、ニーズは高まるばかりだそう。

 「特別栽培のガイドラインに沿う栽培は、細かく厳しいけれど、減農薬、減化学肥料で作ったピーマンだからこそ甘さを感じるほどの苦みのないピーマンに。そして、消費者にも安心して食べてもらえるのもうれしい。」と網代さんは話します。

 「農家を始めたいという人には、惜しみなくマンツーマンでじっくりと教えますよ。」と笑顔を見せる網代さん。川南全体で、ピーマンの生産量だけでなく、農家の活力を高めることを視野にいれています。同じ部会の中でも、跡継ぎがいないところもあるので、ピーマン農家は減る一方。役場や農協と協力し合いながら、就農しやすい仕組みを模索し、実現へ向けて進めています。

 川南は自然環境もサポート体制も抜群で農業にピッタリの町。「どんな仕事も"のさんこと”(※)の連続。それが仕事」と網代さん。農家の仕事も大変なことももちろんあるけれど、人と触れ合い、地に足を付け、自然と向き合いながら育てる楽しさは何にも変えがたいもの。日本三大開拓地である「川南」の大地でココにしかないものを作り上げる農業にチャレンジしてみませんか。

※宮崎弁で「つらいこと、苦しいこと」の意味

Uターンし農家を継ぐ

 県外で会社員をしていたという息子の恵規さんは、4年前に地元に戻り大きな戦力に。「幼い頃から農家の息子として育っているので、すんなりとなじみましたよ。さららピーマンは、販路がしっかりしているので、収入に困る事もないです。」