とにかく、みんないらっしゃ~い!
トロントロン軽トラ市に第1回から事業委員長として関わっている市来原 進さんに、この10年を振り返ってもらいました。
まずは軽トラ市の立ち上げからお聞かせください。
平成18年の4月に、商店街の活性化を目的とした定期朝市の事業委員会が設立され、委員長を任されることになったんです。それからは、どんな風に開催すればいいのかを悩む日々でしたね~。今でこそ宮崎でもあちこちで朝市が行われていますが、当時は前例がありませんでしたから。
そんなある日、岩手県雫石町で行われている軽トラ市のことを知ったんです。「これだ!」と衝撃が走りましたよ。
出店者はどうやって集められたのですか?
事業委員や商工会の会員による人海戦術です。お願い先で軽トラ市のことを説明しても、「軽トラを売るのか?」となかなか理解してもらえなかったり(笑) それでもみんなで頑張った甲斐あって、第1回の軽トラ市には64店舗が集まりました。
当時から町外のお店が多かったのですか?
多かったですよ。出店者を募集する際に、どこのお店かは一切考慮に入れませんでしたから。地元のお店だけに限定してしまうと、毎回同じ顔ぶれになって、お客さんに飽きられてしまいますからね。
「川南で開催するのに、なぜよその人に売らせないといけないのか」という声もありましたが、川南を活性化させるには、一人でも多くの人に来てもらうことが何よりも大切だと考えていましたから。今もそこは変わっていません。
その後、「日本一」の冠をかかげるまでになったわけですが、その秘訣は?
始めた当初からたくさんの人が来てくれた。それに尽きると思います。西日本で初めての軽トラ市ということで、メディアに取り上げられたこともあって、第1回目から大勢のお客さんに来ていただきました。お客さんが多いと、当然、出店したいというお店が集まって来ますからね。一時は10台以上のキャンセル待ちのお店があったほどです。
現在、出店しているお店の9割が常連さんなのですが、この10年間でお客さんに選ばれて生き残ったお店ばかり。いわば各地からの選りすぐりのお店ばかりなんです。だから川南の軽トラ市は楽しいんですよ。
市来原さんが思う軽トラ市の魅力は?
対面販売ならではのやりとりだと思います。「もう一つ買うから安くして〜」なんていう風に。私も出店しているのでわかるのですが、お店側もただ商品を売るだけではなく、そんなやりとりを楽しんでいるんですよ。あっ、うちは安くはしませんよ(笑)。それと商店街に1万人以上が集まるという非日常感が味わえるのも魅力の一つだと思います。
今後の軽トラ市の展望は?
軽トラ市でもっと川南を盛り上げられればいいですね。軽トラ市は商店街が生き残っていくための手段でもあります。毎回1万人以上の人が集まることはすごいことなのですが、それをいかに地元に反映させられるのかがこれからの課題でもあります。
始めた当時は、なんとか頑張っていこうとみんなで突き進んで来ましたが、気付いてみれば私たちが軽トラ市に引っ張られている状態です。この勢いを止めないように気を引き締めているところです。みなさん、軽トラ市で待ってますよ!