川南の魅力

「ピーマン農家への道は楽しみだらけ」

2018年に福岡から移住してきた保坂政孝さん・美幸さん夫妻。農業経験がまったくなかった二人は今、第1期の農業研修生としてピーマン作りの真っ最中です。

移住の目的であった“二人でのんびり”とした暮らしを楽しんでいます

まさかの農業へ

 「会社から帰宅するのが連日のように夜中になってしまい、なかなか二人の時間を作れなかったんです。そんな毎日に嫌気がさして、どこか違う場所でのんびり暮らしたいなぁと思うようになったんです」と福岡での日々を振り返る二人。その場所を求めて日本を一周し、川南町への移住を決めました。
 今ではすっかり農作業が板に付いている二人ですが、もともと農業をしようとは考えていなかったといいます。「移住することが一番の目的だったので、農業ありきではなかったんです。たまたま宮崎県の移住相談窓口で川南町の農業研修生のことを知って、面白そうだなと思って」と、二人で研修を受けることを決めました。

将来を想像しながら楽しく研修

 2018年7月にスタートした研修は、まずトラクターの乗り方やハウスのビニールの張り方など農業の基礎となる内容から始まり、8月に土作り、9月には定植と、さららピーマン作りの実践へと進んで行きます。
 「研修生はそれぞれ30aのハウスでピーマンを栽培するのですが、部会の方たちが丁寧に指導してくれるのでとても心強いです。実際に自分たちだけでやり始めたらどんな風なんだろうと想像を膨らませながら、とても楽しく研修を受けさせてもらっています」と声を合わせる二人。会社員時代とはまるでやりがいが違うと、政孝さんは目を輝かせます。

理想としていた暮らし

 「まだ研修期間中なのですが、農業を始めてから時間に追われることがなくなりました。毎日夕方には作業が終わって、そこから“今日は何食べる”っていう話になるんですけど、福岡にいた頃には二人の時間が合わなくてそんなことはあり得ませんでした」と笑う美幸さん。実は美幸さん、実家が兼業農家で米を作っていることもあって農業をしてみたいという思いがあったといいます。
 一方、福岡の強豪校でサッカーをしていた政孝さんは20代の頃、子ども達にサッカーを指導をしていた経験があり、いつの日かまた子ども達に教えたいという思いを抱いていました。そして今、川南でその思いを実現させています。「この町に来て、お互いにやりたかったことができるようになった。本当に最高ですよ」

いよいよ1年後に就農へ

 あと1年で研修が修了する保坂さん夫妻ですが、今年中に自分たちのハウスが完成するのだそうです。
 「研修を受けているトレーニングハウスのすぐそばに20aのハウスが建つんです。場所などすべてを町が斡旋してくれたので本当に助かりました。第1期の研修生たちはみんな同じ場所で就農するので、何かあったときにはすぐに相談できますし、安心して営農をスタートできそうです」と政孝さん。夫婦二人三脚で歩み始めたピーマン農家の道は希望に満ちあふれています。