地域おこし協力隊

カスタム移住体験にお越しいただきました!

川南町ではこれまでお試し滞在施設を通して移住体験の機会を提供してきましたが、施設運用の中止もあり、近年は移住希望者が減少していました。
そんな状況の中で、滞在費用の補助だけでなく、”滞在内容そのものをサポートする”という視点からスタートしたのがカスタム移住体験事業です。

この取り組みは、6月に開催された移住相談会での反響がきっかけでした。
過去最多の来訪者数を記録した「テーマから探す!移住フェア」では、多くの方に関心を持っていただき手ごたえを感じた一方で、
「次にどう繋げるか」という課題も見えてきました。
せっかく興味を持ってくださっても、実際に地域を訪れる機会がなければ、移住への一歩を踏み出しにくい――そんなもどかしさを感じたのです。

川南町は、決して派手な町ではありませんが、来てみなければわからない魅力がたくさんある町です。
そこで今回の事業では、「人のあたたかさ」を感じてもらうことを目標に立ち上げました。

実際に体験した方々の反応

募集を開始してから約1か月ほどで定員の3組がすべて埋まり、想像以上の反響をいただきました。
参加者の皆さんには、役場の担当者だけでなく、実際に移住してきた方から地元住民など、さまざまな立場の人から”リアルな暮らし”の声をキャッチできるよう
できる限り、多くの町の方と交流する場を設けました。

その結果、
「移住担当者からだけではわからない生の声を聞けた」
「人の温かさを感じた」
といった声も多く、川南町の魅力をしっかりと伝えることができたと感じています。
町民や協力者にとっても、自分たちの町の良さを改めて実感する機会になったとお声をいただいています。

体験後の嬉しい動き

体験をきっかけに、実際に移住を検討・行動に移した方が半数を超えるという成果がありました。
移住はすぐに結果が出るものではありませんが、
3組の参加者の皆さんが「川南町で暮らしたい」という気持ちを育んでくださったことは大きな一歩です。
今も町とつながりを続けてくださっており、これからの展開が楽しみです。

今後に向けて

この事業は、一過性のものにせず、持続的で効果的な移住支援の仕組みとして育っていくこともできるよう進めてきました。

私は今年度の2月で地域おこし協力隊としての任期を終えます。
そのため、同じような取り組みをこれからも継続的に実施することは難しいかもしれません。
それでも、今回の活動を通じて感じたことや学んだことが、町の移住サポートをより温かい形で続けていくためのヒントになれば嬉しいです。

私は今まで、移住者として移住コーディネーターを努め、川南町に関わってきました。
だからこそ、外から見て初めて気づく町の魅力や、住む人たちの優しさに触れることができました。
この経験をもとに、町の皆さんがこれからも新しい人を迎え入れ、つながりを育てていけるようなきっかけを残せたなら、
それが私にとって何よりの成果だと思っています。

おわりに

「移住」というのは、ただ“住む場所を変える”ことではなく、“生き方を選ぶこと”だと思います。
そしてその選択には、人との出会いや、誰かの温かい言葉が欠かせません。

だからこそ、川南町ではこれからも、人と人とのつながりを大切にした移住支援の形が続いていってほしいと願っています。
今回のカスタム移住体験が、その小さなきっかけのひとつになれていたら、本当に嬉しく思います。

ここからまた、新しい川南町のファンが生まれ、交流の輪が少しずつ広がっていくことを心から願っています。